日曜日、包丁研ぎ教室。
裁ちばさみ、革包丁、鉋(かんな)、料理包丁…ありとあらゆる刃物を
一人一人 、先生の指導のもと、手入れしました。
先生の言葉はとてもシンプル。
長々とした説明はありません。
なんとかコツをつかもうと、自然と目と耳を凝らします。
自分の道具がすっきりピカピカになるのはもちろん嬉しいのですが、
それぞれが持ち寄った道具から、
その人の仕事や生活の様子を垣間見ることができ、
それもなんだかいいなぁーと思える時間でした。
20年使い続けているという鋼の包丁を持って来られた方。
持ち手を取り替えたり、修理をしながらも、
毎日の食卓を担ってきた、一本。
持ち主の使い方の癖や、修繕の跡、
年を重ねてきたその道具の姿は
なぜだかとても美しい気がします。
色んな場所をまわって、刃物研ぎをされている先生が、
あの時は驚いたと話してくださったのは、
明治から親子3代で使っているという裁ちばさみを
お客さんが持って来られた時のこと。
一生使えるものをものを…私にはせいぜいそこまでしか考えが及びませんが、
ものを捨てることがなかった時代には、
子も孫も使えるように…そんな風に考えながら、
身の回りのものを整えたのでしょうね。
今は使い捨ての時代に合わせて、ものの耐久性も落ち、
長く使えないものが圧倒的に多い世の中ですが、
なるべく長く使えるものを選んで、
手入れしながら使っていきたいですね。
(日々譚)
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